カードローンを未成年でも利用する方法はある?
中学・高校を卒業し、就職や進学で一人暮らしを始めた未成年の方にとって、急な出費は頭の痛い問題でしょう。20歳になれば多くのキャッシング商品の中から選んで借り入れをすることもできますが未成年は申し込み自体ができないローンが殆どの為、資金繰りには苦労することもあるでしょう。
では、なぜ未成年への融資は殆ど行われないのでしょうか?20歳以上ならアルバイトでも利用できるキャッシングも、未成年の場合は正社員だとしても利用できないのはなぜなのでしょうか?
未成年が利用できない理由
実は、「未成年にお金を貸してはいけない」という決まりはありません。法律上も、「貸してはいけない」とは言っていないんです。つまり、「貸したかったら貸してもいいよ」ということになりますが、多くの会社は申込条件の中で断っているのが現状です。
成年と未成年の区別をしている物
ならば、「未成年にもお金貸してくれたっていいじゃないか!」と思うところですが、その前に成年(20歳以上)と未成年(20歳未満)を区別している物と、その影響について知っておかなければいけないので、そこから理解を進めていきましょう。下の囲みを見てください。
【民法第5条】(未成年者の法律行為)
1.未成年者の法律行為(契約など)には、親など「法定代理人」の同意が必要。
2.1の決まりに違反する行為は、取り消しが可能。(可能であって、取り消したくなければ取り消さなくてもいい)
【民法】の中で、20歳を境として成年と未成年とに区分けをしていることが第4条で書かれ、さらに未成年者の法律行為について第5条で書かれています。ちなみに【民法】は、日本の法律の根幹になる6つの法律(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)の中の1つで、非常に重要な法律となっていることを覚えておきましょう。
未成年単独での契約行為は不安定
さて、未成年者が簡単にキャシング契約をすることができない理由が、既に書かれていることには気づいたでしょうか。民法第5条で決められている、「未成年者の契約などは、親など「法定代理人」の同意が必要」なことと、それに反する法律行為は「取り消しが可能」の2点が大きな原因になっています。
これはどういう事なのかというと、
といったように、法定代理人(未成年者の場合、ご両親になるのが殆どです)が契約の取り消しをできる、非常に不安定なものになってしまうことを意味しています。契約の時に同意を得ていればその心配もありませんが、そこまでして融資を行なう会社はまずありません。
キャッシングできる取引の種類
さて、未成年者の立場を理解していただいたところで、次は「キャッシングの種類」についてお話しておきましょう。そもそもキャッシングは「現金を引き出す」という意味(キャッシュカードなどが典型例)でしたが、最近では「お金を借りる」意味として使われることが多くなりました。
「お金を借りる」と言われると、銀行や消費者金融のカードローンやフリーローンを想像する方が多いでしょう。しかし、他にもキャッシングできる取引があるのはご存知でしょうか。
キャッシング可能な取引一覧
具体的にキャッシングできる主な取引を箇条書きにしてみたのが、下の囲みです。
- 銀行や消費者金融が取り扱っているカードローン
- 同じくフリーローン
- 自動車を担保にしたローン
- クレジットカードのキャッシング枠
- クレジットカードのショッピング枠を現金化
このうち、「自動車を担保にしたローン」と「クレジットカードのショッピング枠を現金化」のキャッシングはお勧めしません。特に後者は、「お勧めしない」ではなく「絶対にやってはいけません」。
安易なキャッシング方法に要注意
未成年でも自分の車を持つことはできます。18歳から運転免許を取得する事もできます。親から譲ってもらったり、中古を現金で購入するなど、入手方法も様々です。この車を手放すことなく、キャッシングができるとしているローンも存在しています。
「車を手放さずにお金が借りれるなら、便利でいいじゃないか」とはいかないのが残念なところなのですが、この方法、多くの場合は所有者がローン会社に名義変更されてしまい、実質上は「車の所有権をローン会社に譲った上で、車を借りて乗っている」ことになるんです。
ショッピング枠現金化は規約違反
もう1つの「クレジットカードのショッピング枠を現金化する方法」は、クレジットカードの利用規約に違反する使い方であるとともに、大きな損害を被る危険性が高い取引です。
未成年でも作れるクレジットカードは結構多く、学生さんでも利用できるものもあります。キャッシングはできなくても、ショッピング枠が現金化できるなら便利に思えますよね?しかし、現実はそんなに甘くはありません。
ショッピング枠の現金化は、下の枠のような仕組みによって行われています。
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2.購入した商品をローン会社に返却した上で、手数料などを差し引いた金額を現金で渡される
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3.手元に残るのは、多額の手数料を差し引かれた現金と、クレジットカードの分割払いの義務
そもそも、この利用方法は規約違反で、カードの利用が停止されることもあり得ます。更に、手にした現金は多額の手数料が引かれた後で、しかもクレジットカードの分割払いで手数料という名の利息も払っていくことになるんです。このような取引には、絶対に手を出してはいけません。
未成年も利用できるキャッシング
では、未成年で急な借り入れが必要になった時はどうすることもできないのでしょうか?実は、未成年にも融資をしてくれる「学生ローン」を取り扱っている消費者金融も、少ないながら存在しています。
学生ローンを利用する為の条件
肝心の年齢については、各社で条件が分かれているので、一概に未成年でも大丈夫とは言い切れません。しかし、銀行や大手消費者金融でほぼ100%申込不可の状況よりはマシ。リサーチする価値はあるでしょう。
「未成年でも大丈夫か」「学生以外でも働いていれば対象になるか」「親などを保証人にする(同意する)必要はあるか」などの諸条件はしっかりと確認しましょう。もちろん、金利(利息)や返済方法も要チェックです。
いずれにしても、自分に安定した収入のあること(アルバイトでも)が前提となっています。学業に専念している方には辛い条件ですが、返済の元になる収入を求められるのは当然のことであると納得はできるでしょう。
もしもお金に困ったらどうするか
学生・社会人に関わらず、お金の借り入れはご両親や親戚などへ相談できないかを最初に考えてみましょう。数少ないキャッシングの方法をご紹介しましたが、それは身内から借りることができない時の非常手段として考えておくべきです。
成人してからの方が借り入れの機会や頻度も上がってきますし、多くのキャッシング商品から選択できるメリットがあります。その時になって審査に影響するような借り入れがないように、慎重な利用を心がけましょう。